2026.07.22
オフィス設計で働きやすい職場へ

オフィスは、会社の考え方や働き方が自然に表れる場所です。毎日使う社員にとっては仕事を進めるための拠点であり、来訪者にとっては企業の印象を受け取る入口にもなります。だからこそ、机や会議室を配置するだけではなく、人の動き、会話の生まれ方、集中しやすさ、設備の使いやすさまで丁寧に考えることが大切です。
オフィス設計では、デザイン性だけを優先するのではなく、働く人が無理なく過ごせること、建物として安全であること、将来の変化にも対応しやすいことが求められます。岡山の建築設計事務所である木村設計は、意匠設計、構造・耐震設計、設備設計を通して、事務所ビルをはじめ、公共施設、医療福祉施設、商業施設、工場、倉庫など幅広い建物づくりに携わっています。ここでは、長く使いやすいオフィスをつくるために大切な考え方を、わかりやすく紹介します。
オフィス設計は働き方を整理することから始まる

よいオフィスをつくるためには、最初に「どのように働く場所なのか」を整理することが大切です。部署ごとにまとまって作業するのか、打ち合わせが多いのか、来客対応が頻繁にあるのか、資料や備品を多く保管する必要があるのかによって、必要な空間は変わります。
見た目が整っていても、実際の業務に合っていなければ使いにくさが残ります。反対に、日々の動きに合わせて計画されたオフィスは、働く人の小さな負担を減らし、仕事の進めやすさにつながります。設計の初期段階では、現在の課題だけでなく、数年後の人員増加や組織変更も想定しておくと安心です。
仕事の流れを整える動線計画
オフィスで意外と大きな差が出るのが動線です。入口から受付、応接室、会議室、執務室、休憩スペース、倉庫、トイレまでの流れが自然であれば、社員も来訪者も迷わず移動できます。反対に、よく使う場所が遠かったり、人の流れが何度も交差したりすると、毎日の小さな不便が積み重なります。
特に来客のあるオフィスでは、来訪者の動線と社員の動線を分ける工夫が大切です。来客が執務エリアを通らずに会議室へ入れる計画にすると、情報管理の面でも安心しやすくなります。一方で、社員同士が自然に顔を合わせられる場所を設けると、ちょっとした相談や確認がしやすくなります。
コピー機や書類棚の位置、給湯室への行きやすさ、休憩スペースまでの距離なども、働きやすさに関わる要素です。木村設計が行う意匠設計では、外観の印象だけでなく、内部空間の使いやすさや周辺環境との調和も含めて検討します。動線を丁寧に考えることは、オフィスの快適さを支える基本です。
オフィスに必要な集中と交流の場
オフィスには、集中して作業する時間と、周囲と意見を交わす時間の両方があります。どちらかに偏りすぎると、働きにくさにつながることがあります。たとえば、開放的な空間はコミュニケーションを取りやすい一方で、電話や会話の音が気になる場合があります。反対に、個室ばかりの構成では落ち着いて作業できますが、部署間の連携が生まれにくくなることもあります。
そのため、執務スペース、会議室、打ち合わせコーナー、集中できる小さな空間、休憩スペースをどう組み合わせるかが重要です。広い面積を確保できない場合でも、家具の配置や壁のつくり方、視線の抜け方を工夫することで、使い分けしやすい環境にできます。
快適性を左右する光・音・空調
働きやすいオフィスを考えるとき、レイアウトと同じくらい大切なのが室内環境です。自然光が入りやすい窓の配置、作業に合った照明の明るさ、会話や機械音の響き方、季節ごとの空調の効き方は、日々の集中力や疲れやすさに影響します。
たとえば、明るすぎる照明は目の疲れにつながることがあり、暗すぎる空間では書類作業やパソコン作業がしづらくなります。会議室では声が聞き取りやすいこと、執務室では周囲の音が気になりすぎないことも大切です。オンライン会議が多い会社では、背景の見え方や照明、音の反響にも配慮しておくと使いやすくなります。
休憩スペースも、単なる余った場所としてではなく、気持ちを切り替えるための空間として考えたい場所です。短い時間でも少し落ち着ける場所があると、仕事に戻るときの集中もしやすくなります。快適さは一つの大きな工夫だけで生まれるものではなく、光、音、温度、視線、家具の配置といった細かな要素の積み重ねによって形になります。
長く使えるオフィスの安全性と設備

オフィスは多くの人が日常的に利用する建物です。そのため、見た目の美しさだけでなく、建物としての安全性や設備の使いやすさも欠かせません。地震に対する備え、避難のしやすさ、電気や空調、給排水の計画は、普段は目立ちにくいものの、安心して働くための土台になります。
構造や設備の計画は、後から大きく変えることが難しい部分です。だからこそ、設計段階で業務内容や利用人数、将来の使い方を踏まえて検討しておく必要があります。木村設計では、意匠設計に加えて構造・耐震設計、設備設計にも対応し、建物全体を総合的に考えながら計画を進めています。
事業継続を支える耐震性と設備
オフィスは、社員が働く場所であると同時に、会社の情報や設備を守る拠点でもあります。地震などの災害時に建物の安全性が確保されていることは、人命を守るだけでなく、事業を継続するうえでも重要です。柱や梁、壁、床といった構造の考え方は、建物の安全性だけでなく、空間の使い方にも関わります。
たとえば、広い執務室を確保したい場合は、柱の位置や構造計画がレイアウトに影響します。将来、部署の配置を変えたいときにも、構造が無理なく計画されていれば対応しやすくなります。安全性と使いやすさは別々に考えるものではなく、最初から一体で検討することが大切です。
また、現代のオフィスでは電源や通信環境も重要です。パソコン、複合機、サーバー、オンライン会議用の機器など、必要な設備は年々増えています。完成後に延長コードが増えたり、部屋によって暑さ寒さに差が出たりしないよう、空調、電気、給排水の計画を早い段階で整えることが必要です。設備設計まで丁寧に考えられたオフィスは、完成直後だけでなく、長く使うほど快適さを実感しやすくなります。
オフィス設計で考えたいコストと将来性

オフィスの新築や改修では、建築費をどう考えるかも大切です。費用を抑えることはもちろん重要ですが、安さだけを優先すると、完成後に使いにくさが残ったり、修繕や改修の負担が大きくなったりする場合があります。大切なのは、必要な部分にきちんと費用をかけ、無駄な部分を見極めることです。
設計段階で計画を丁寧に固めておくと、工事中の変更や手戻りを減らしやすくなります。また、同じ設計図をもとに施工会社の見積りを比較することで、工事内容や価格の違いも把握しやすくなります。木村設計では、お客様の立場に立った設計と工事監理を通じて、コストと品質のバランスを大切にしています。
変化に対応しやすいオフィス計画
会社の働き方は、時間とともに変わります。社員数が増えることもあれば、部署の再編や業務内容の変化によって、必要な部屋の数や広さが変わることもあります。そのため、オフィスを設計するときは、完成時点の使いやすさだけでなく、将来の変更に対応しやすい計画にしておくことが大切です。
たとえば、間仕切りを変更しやすい構成にする、設備の増設を想定しておく、会議室を別の用途にも使えるようにするなど、少し先を見据えた工夫があります。すべてを大きくつくる必要はありませんが、変えにくい部分と変えやすい部分を整理しておくと、将来の改修がしやすくなります。
また、図面だけでは完成後の雰囲気を想像しにくいこともあります。木村設計では、CGを活用したわかりやすい提案にも取り組んでおり、外観や空間の印象を共有しながら計画を進めやすくしています。設計者とお客様が同じイメージを持てると、完成後のずれを減らし、納得感のあるオフィスづくりにつながります。
まとめ
オフィス設計では、働き方に合ったレイアウト、わかりやすい動線、集中と交流のバランス、光や音、空調の快適さ、安全性、設備計画、コスト、将来の変化への対応まで、さまざまな視点を重ねて考えることが大切です。見た目のよさだけでなく、毎日使う人が自然に働きやすいと感じられることが、長く価値のある職場づくりにつながります。
株式会社木村設計は、岡山の一級建築士事務所として、意匠設計、構造・耐震設計、設備設計を総合的に行い、事務所ビルをはじめ多様な建築物の設計に携わっています。お客様の立場に寄り添い、CGによるわかりやすい提案や、コストバランスを意識した設計、現場での丁寧な工事監理を大切にしながら、安心して長く使える建物づくりを支えています。働く人にも、訪れる人にも、会社の未来にもやさしいオフィスを考えるなら、計画の早い段階から専門家と一緒に進めることが大切です。